企画主旨

個人が公開したテキストをアーカイブする試み。

概要

●企画趣旨
◇情報化社会において、個人が発信した言葉は、どのようにアーカイブされるべきか。
◇ネットワークでつながっている限り、個人の言葉は、本質的にすべて記録されている。パソコン通信をはじめて、最初に感動し戦慄したのが「エコーバック」ということで、目の前のディスプレイに写されている言葉は、ホストコンピュータから
木霊(エコーバック)のように帰ってきたものだということだ。ネットワーク社会においては、個人の言葉は、ホストコンピュータという全体性を通過して、自分や他人に届く。
◇僕は20歳の時からメディアを使って表現する方法を学んだ。それは原稿依頼されて書いたり、依頼されて番組に出るというのではなく、自分が表現するということと、自分が表現するためのメディア構築が同時同一のことであった。そのことが、ものすごく未来において大切であるということを19歳の時に自覚したからである。情報化社会を肉体化するということは、分業化されたメディアの構造を自分の側に引き寄せてトータルに再構築することである。
◇僕の原稿は、20代は、自前の雑誌「ロッキングオン」を中心に書き、80年代から90年代半ばまでは、既存の媒体で書いた。特に業界誌のような読者のテーマが共通している媒体での執筆は刺激になったし勉強になった。そして、インターネットが開始してからというものは、このシステムの上での執筆が大半を占める。
◇エピタフ・プロジェクトは、橘川のこれまでのテキストをデジタル化してアーカイブする試みである。人の一生についての僕の認識はこうである。「人の一生は、生まれてから死ぬまでの間ではない。人が生まれて出会った人が、すべて死ぬまでの期間である」。僕の肉体が滅んでも、生きているうちに関係してきた人たちが生きている限り、僕の想いや願いはみんなの中に生きているはずである。そして、すべての関係者がいなくなった時、個人史は完全に消滅して歴史に合流する。
◇つまり、情報化社会においては、生きるとは、生まれてから死ぬまでの責任を取るということではなく、すべての関係者がいなくなるまでの時間に対して責任を取るということである。死んだから全て終わり、というのは、非情報化社会までのことである。ブログやツイッターを、ほっぼり出して死んではいけない。それらを、整理編集して、死んでも関係者とコミュニケーションしなければならないのだ。
◇以上は、あくまでも、僕の個人的な想いである。強要しようとは思わない。とりあえず、まずは、僕の生そのものである言葉の記録をアーカイブにして、公開する。公開の方法として、最も重要だと思っているのが「ピリオ」である。


以下、エピタフ・プロジェクト事務局の加藤くんの橘川入門ガイド
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<橘川幸夫>の企画・仕事の考え方が分かる3冊

●加藤 清司(2011.7.9.)

1.企画書 復刻版- 1999 年のためのコンセプトノート-(メタ・ブレーン)
amzn.to/nyGtbN

 ロッキングオンの頃から一貫して、橘川幸夫は、読者一人一人に「自分はこう考える」というノウハウを惜しみなく開放する。その理由は、一人一人に充実してもらいたいからであり、そして、そういう人達が充実していく中で、本気で彼等と遊びと仕事をしたいのだろう。
 世の中、他人が好きな食事と自分が好きな食事の好みが、完全に一致することなどあり得ない。
 それは企画でも同じ。
 誰かのアイデアをパクった企画が、面白くない理由は、本質を外部に求めても、解決しないからであり、その企画を一番やりたいのが、あなたでないからである。
 そう、橘川幸夫の言う「企画」とは、
 「あなたのハードウェアにあった企画を、あなた自身が追求し、考え実行していくこと」だ。結局、企画とは、一人一人の素人が何を考え、どう動くかでしかなく、
 あなた自身の問題から企画を考えるのには、もってこいの一冊。


2.21世紀企画書(晶文社)
amzn.to/paYGwh

 IT批評VOl.2の中に、結局、「ソーシャルメディアとは何か」というと、「一人一人がメディアになる」という様な主旨の事が書いてあった、むむ、どっかで聞いた事がある。そう、これと同じ事を言ったのは、「参加型メディア」という言葉をつくった橘川幸夫氏だ。同じではないか。
「21世紀企画書」は、インターネット社会到来を受けて、1999 年のレクチャーをベースにまとめられたもの。本書のテーマは、「インターネットは海」。
 インターネット登場から早 15 年以上経過し、本書の出版から10 年経つが、ミスター本質の橘川氏らしく内容は、ほとんど色褪せない。(本質だからそんなに変わるものでもないか…笑。)
 時代の先頭を走り続けてきた橘川幸夫の企画書というよりも、彼の方法論が詰まった一冊。

3.希望の仕事術(バジリコ)
amzn.to/mSHmwZ

 入門書。30 分で読める。橘川幸夫が、本書で一貫して言いたい事は、「一人一人の個人が、社会をどう意識して生きていくのか」。
 一人一人の個人が、今の生活を充実させるために、自分と関係性を深めたい一人一人との関係性を、遠慮なく友好的に深めていく事が、彼が求める社会を意識することだろう。彼のメッセージは、「1.企画書」の頃から何も変わっていない(笑)。
 仕事も、関係性のないところに、本当の楽しい仕事は生まれない。

『頼まれた仕事はさっさと仕上げて、頼まれもない仕事に着手しろ。(P. 153 )』

 そうそう、前者の仕事はとっと終わらせ、一人一人が後者の仕事へ向かう姿勢こそが、関係性を充実させ、社会を活性化していく。
 本書は、読者にもそうなってもらいたいと願う彼からのお節介なメッセージ集である。


★橘川さんの1970年以来発表してきたテキストをデータベース化する「エピタフ・プロジェクト」を運営しています。ボランティアで入力作業を手伝ってくれる人は、加藤までご連絡ください。

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